50代のひとり暮らしです。
少し前まで、お金のことを考えると、
胸のあたりがずっと重たい感じがしていました。
このまま暮らしていけるんだろうか。
老後はどうなるんだろう。
でも、その不安がいくらなのか、
自分でもよく分かっていなかったんです。
【思い切って、全部書き出してみました】
ある時、思い立って
お金のことを表にしてみることにしました。
毎月何にいくら使っているのか。
一年でどれくらいかかるのか。
これから先、どんなお金が必要になりそうか。
最初に使ったのは、
日本FP協会が無料で公開しているツールでした。
ホームページから誰でも使えるもので、
家計の状態やこれから必要になるお金を、
順番に書き込んでいく形になっています。
そのあといくつか試して、
今は支出管理表とライフプラン表の組み合わせに落ち着きました。
いちばん大変だったのは、
去年一年分の数字を出すところです。
通帳や家計簿アプリを見返しながら、
何日かかけて、少しずつ入力していきました。
正直、途中で「もういいかな」と思った瞬間もあります。
書き出すのは、少し怖くもありました。
見たくないものを見ることになるかも、と思って。
【不安の正体は「数字が見えないこと」でした】
でも、書き終えてみて分かりました。
私が怖かったのは、お金が足りないことではなくて、
「いくら足りないのか分からないこと」だったんです。
数字にしてみたら、
思っていたのとは違う景色が見えました。
老後のお金への不安が、前より減ったんです。
そして、もうひとつ気づいたことがあります。
私は、必要以上に我慢していたようでした。
うれしい発見のはずなのに、
最初に浮かんだのは「なんだ」という気持ちでした。
不安だから、使わない。
使わないけれど、不安は消えない。
だからまた我慢する。
その繰り返しを、何年も続けていたことになります。
必要だったのは、もっと我慢することではなくて、
「どのくらいあれば足りるのか」を知ることだったんですね。
形のない不安って、
どこまでも大きくなっていくんですよね。
でも、紙の上に書いてしまえば、
それは「ただの数字」になります。
数えられるし、比べられるし、
「これは今考えても仕方ない」と仕分けもできる。
【予算にしてしまえば、罪悪感が消える】
もうひとつ、思わぬ変化がありました。
旅行や、ちょっとした楽しみのためのお金を、
あらかじめ「予算」として決めておくようにしたんです。
そうしたら——使うときの罪悪感が、なくなりました。
以前は、何か買うたびに
「こんなことにお金を使っていいのかな」と
どこかで思っていました。
でも「これは使っていいお金」と決めておけば、
気持ちよく使えるんですよね。
我慢を減らすために、計画を立てる。
そういう考え方もあるんだなと思いました。
【これからを、自分で決められるようになった】
いちばん大きかったのは、これかもしれません。
数字が見えるようになったら、
「これからどう暮らしたいか」を
自分で考えられるようになりました。
前は、なんとなく不安で、
なんとなく我慢して、
なんとなく先延ばしにしていた。
今は、
「これはできる」「これはもう少し先」と、
自分で判断できます。
やりたいことも、はっきりしてきました。
ひとつは、日本を全部まわってみたいということ。
まだ行ったことのない県が、いくつか残っています。
もうひとつは、これから10年のあいだに、
海外にも行けたらいいな、ということ。
できれば年に一度くらい行けたら、
うれしいなと思っています。
物価の安いアジアが中心になると思いますが、
私にはそれで十分です。
少し前の私なら、
「そんなことにお金を使うなんて」
と思っていたはずです。
今は、
「これは行っていいお金」と考えられます。
【おわりに】
お金の不安って、
「見たくない」ほど大きくなる気がします。
でも、見てしまえば案外、
ただの数字だったりするんですよね。
もし今、漠然としたお金の不安がある方がいたら。
まずは一ヶ月分でいいので、
使ったお金を書き出してみてください。
答えが出なくても大丈夫です。
「分からない」が「分かる」に変わるだけで、
気持ちはずいぶん軽くなりますから。

